
長年アルザスワインを特に好んで仕事の中心の一つとしてご紹介してまいりましたが、ブルーノ・シュレールのワインに出会ったときは、今までアルザスワインの味わいとしてもちつづけてきたすべての概念を覆さざるをえないほどの衝撃でした。アルザスでは1981年からビオディナミの認証をとっているフリックに続き、最近ズイント・ユンブレヒト、マルセル・ダイスがビオディナミの認証をとり、バルメス・ビュシェ、クライデルヴァイスがビオロジックの認証を得ていますが、これからもぞくぞくと後に続いていくと思われます。
父上のジェラールはもっぱら畑を担当していますが、何十年にもわたって一度も除草剤、化学肥料を使っていない畑は健全そのもので、収量をできるだけ低く抑え、濃縮度の高いブドウが栽培されます。中くらいのフードルを使いシュール・リーで、酸化防止剤の使用を可能な限りおさえ熟成させたブルーノのワインは、独特の風味を備え、するどい酸が奥行きのある果実味をしっかりと支え、高いレベルでバランスが整い、ミネラリーな味わいに支えられた凝縮度の高い見事なワインです。ブルーノが作るワインは、もっともヴァン・ナチュールのスタイルをあらわしているアルザスワインだといえるでしょう。(インポーター情報)